テレビ観た
2010年 01月 17日
世界ふしぎ発見で、イースター島のモアイ像を運搬する新しい方法を考えた人が出演していた。
その人は、初老と言って差し支えのない風体のおじさん。
気力なさげな目をした人だった。
彼が実験のためにイースター島に到着したときも、華のない人だと感じた。そんなものを求める対象じゃないのはわかっているが、とにかくそう感じた。
本人もそう感じていたのかもしれない。
イースター島に到着して数日後。
ふたたび登場したとき、彼は明らかに土産物だとわかるちょい派手めなつば付き帽を前後逆向きにかぶっていた。
前後逆向きに。
自分に華を飾ろうと思ったのか。
それとも、単に浮かれた気分になっちゃったのか。
ただ、事実として彼は土産物の帽子を前後逆にかぶっていた。
島の誰もが前向きにかぶっている帽子を、これが俺のファッション・スタイルだと言わんばかりに、威風堂々、寛然たる態度で、実験を失敗した次の日にこうなっていた。
実験よりも、そっちに目を惹かれた。
胴のファッションが日本の初老そのままで、頭の上だけが若者、放たれるヒップホップの匂い。
ヒップホップの精神は反骨だ。
島で、ファッションについて何か言われたのかもしれない。実験の失敗はさておき、ファッションについて何か言われたのかもしれない。
彼自身、自分に華がないことは重々承知していたが、島民ならびにスタッフから延々休まず浴びせられる罵倒に、とうとう彼の心は破裂してしまったのかもしれない。
そうかもしれない。
つば付きの帽子を前後逆にかぶるだけというシンプルなコーディネート。それ以外は、純・初老日本人の普段着という出で立ち。
まさに反発で、つまり反骨。
ちぐはぐなファッションをすることで、ファッションという概念そのものを破壊する。それによって、見る側にまったく新たな世界を提供する。
ファッションに対する反骨。
それこそが、彼のあの姿が表す「もの」だった。
……そうかもしれない。
……
ちなみにその後、番組のエンディングでスタジオに彼が呼び込まれたのだが、そのとき彼の頭上には土産物の帽子がなかった。
当然といえば当然だが、なんだかがっかりした。
その人は、初老と言って差し支えのない風体のおじさん。
気力なさげな目をした人だった。
彼が実験のためにイースター島に到着したときも、華のない人だと感じた。そんなものを求める対象じゃないのはわかっているが、とにかくそう感じた。
本人もそう感じていたのかもしれない。
イースター島に到着して数日後。
ふたたび登場したとき、彼は明らかに土産物だとわかるちょい派手めなつば付き帽を前後逆向きにかぶっていた。
前後逆向きに。
自分に華を飾ろうと思ったのか。
それとも、単に浮かれた気分になっちゃったのか。
ただ、事実として彼は土産物の帽子を前後逆にかぶっていた。
島の誰もが前向きにかぶっている帽子を、これが俺のファッション・スタイルだと言わんばかりに、威風堂々、寛然たる態度で、実験を失敗した次の日にこうなっていた。
実験よりも、そっちに目を惹かれた。
胴のファッションが日本の初老そのままで、頭の上だけが若者、放たれるヒップホップの匂い。
ヒップホップの精神は反骨だ。
島で、ファッションについて何か言われたのかもしれない。実験の失敗はさておき、ファッションについて何か言われたのかもしれない。
彼自身、自分に華がないことは重々承知していたが、島民ならびにスタッフから延々休まず浴びせられる罵倒に、とうとう彼の心は破裂してしまったのかもしれない。
そうかもしれない。
つば付きの帽子を前後逆にかぶるだけというシンプルなコーディネート。それ以外は、純・初老日本人の普段着という出で立ち。
まさに反発で、つまり反骨。
ちぐはぐなファッションをすることで、ファッションという概念そのものを破壊する。それによって、見る側にまったく新たな世界を提供する。
ファッションに対する反骨。
それこそが、彼のあの姿が表す「もの」だった。
……そうかもしれない。
……
ちなみにその後、番組のエンディングでスタジオに彼が呼び込まれたのだが、そのとき彼の頭上には土産物の帽子がなかった。
当然といえば当然だが、なんだかがっかりした。
# by itisnot | 2010-01-17 01:05 | 日常